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耳より情報
2023年05月30日 [耳より情報]

6月になったら「住民税」を確認しょう!

オーケストライフでは、皆さまのお役に立てるくらしや住まいの耳より情報を定期的に発信していきます。今回は、税務全般から不動産活用や事業再生に関わる経営コンサルティングまで加藤税務会計事務所の加藤 博明による「6月になったら『住民税』を確認しよう!」をお届けします。



皆さん、こんにちは。税理士の加藤です。ゴールデンウィークも終わり、あっという間に5月末となりましたね。今回のブログでは、「住民税」にスポットを当ててみます。

サラリーマンの方であれば、毎年5月から6月にかけて、住民税(市民税・県民税)特別徴収税額通知書(※)が配布されるでしょう。特別な事情がある場合を除き、事業主は従業員に支払う毎月の給与から住民税を差し引き、市区町村に納付する「特別徴収」が義務付けられています。この通知書によって、その年の「6月の給与から特別徴収される金額」を確認することができるのです。

(※)住民税(市民税・県民税)特別徴収税額通知書とは? →毎年1月31日までに特別徴収義務者である事業主が、納税義務者(従業員)の住民票が置いてある各市区町村に、前年分の給与支払報告書を提出し、その給与支払報告書に基づいて決定された6月から翌年5月までの「住民税額の通知書」のこと。ちなみに<特別徴収>は給与所得者(サラリーマン)の納付方法、<普通徴収>は主に個人事業主、自営業者、公的年金所得者などの納付方法です。

ところで、この「住民税額の通知書」には、住民税以外にも分かることがあるのをご存知でしょうか? 実はここから、ふるさと納税の控除上限額の目安を知ることができます。せっかくなので、この通知書を使いふるさと納税の控除上限額の目安を計算してみましょう。分かりやすいように、画像をもとにお話しします。

上記の画像のように、ふるさと納税(寄付)をおこなうと、寄付金のうち2,000円を超える金額について、寄付した翌年の住民税から一定額が控除されます。控除される住民税は、所得に応じて上限があるのでお忘れなく……!
では次に上記の金額をもとに、ふるさと納税の上限額の目安を計算してみます。
サラリーマンで給与収入700万円(給与所得520万円)の<横浜 太郎さん>を例にみていきましょう。

全額控除されるふるさと納税(寄付金)上限額の目安
@課税総所得金額(※1) 所得税率 A全額控除される寄附金上限額の計算式
195万円以下 5% 所得税(※2)×23.558%+2,000円
195万円超330万円以下 10% 所得税×25.065%+2,000円
330万円超695万円以下 20% 所得税×28.743%+2,000円
695万円超900万円以下 23% 所得税×30.067%+2,000円
900万円超1,800万円以下 33% 所得税×35.519%+2,000円
1,800万円超4,000万円以下 40% 所得税×40.683%+2,000円
4,000万円超 45% 所得税×45.397%+2,000円

(例) 横浜 太郎さんの場合 
給与収入700万円(給与所得520万円)
扶養家族 妻、子(高校生)、子(小学生)
社会保険料700,000円
配偶者控除330,000円
扶養控除330,000円
基礎控除430,000円
(ふるさと納税の上限額目安を計算するには次の金額をもとに計算します)


課税総所得金額(実際は以下の図※1青色部分に記載の金額) 3,410,000円 
市民税所得割(実際は以下の図※2緑色部分に記載の金額) 204,600円 

県民税所得割(実際は以下の図※2赤色部分に記載の金額) 136,400円
計算方法:
まず@ 課税総所得金額341万円は、330万円超695万円以下の欄に該当します。
その次に、A欄をみていただき、所得割は緑色の市民税所得割赤色の県民税所得割を合計します。

市民税所得割 204,600 +県民税所得割 136,400 =341,000
所得割の合計額341,000×28.743%+2,000円=100,013円 

上記の計算式より、横浜太郎さんの「ふるさと納税の控除上限額」は、100,000円となります。
注)今回計算した上限額は、あくまでも令和4年の上限額のため、令和5年の目安としてご認識ください。

このように1通の通知書から、単にご自身の住民税額を知るだけでなく、ふるさと納税について控除上限額の目安を計算できることが分かりました。ふるさと納税を効率的に活用するには、寄附する金額を限度額内に抑えることがポイントです。ぜひ今年は改めて住民税について認識し、「ふるさと納税の上限額の目安」もチェックしてみてはいかがでしょうか。
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