【事例】兄・妹で意見が分かれる実家の処分
60代後半のOさん
オーケストライフに、妹さんと共有名義になっている実家の処分について相談を寄せられた60代後半のOさんの事例です。ご相談内容・対応
共有名義で相続した実家のこれから
ご両親が他界され、兄であるOさんと、その妹さんで横浜市郊外にある実家を相続して約5年の歳月が流れました。相続の際に、想い出のつまった実家をこれからどうしていくか結論が出ず、「とりあえず共有でもとう」と兄妹の共有名義にしたとのことです。妹さんと交替で定期的に実家に風を入れに通ったり庭の除草などのメンテナンスを行ってきたそうですが、Oさんが突然の病を患ったことで、これからのことが不安になり、オーケストライフの不動産問題・対策担当の司法書士に相談にこられました。
兄・妹の想いはすれ違い・・・
Oさんの話では、相続した時点で、兄と妹の考えは異なっていたとのことでした。Oさんとしては、大型台風や地震など自然災害のリスクを考えると所有し続けていくことの大変さが先立ち、すぐにでも売却したほうがよいと考えていました。一方、妹さんは生まれ育った家そのものへの思い入れが強いようで、そのままを維持したいと主張してきため、妹さんの想いに押し切られる形で今に至ってしまったとのことでした。
担当者より共有名義の解消方法のご提案
後日、妹さん同席のもと、司法書士より共有名義の解消方法について下記2つの選択肢、メリットやデメリットを含め説明いたしました。また、オーケストライフのメンバーである税理士も同席し、売却した場合の税金などについても説明いたしました。@ 共有状態にあるご実家の建物・土地を一括で売却し、その代金を持分割合に基づき配分する方法
A お兄様か妹様どちらかがご実家の建物・土地ををすべて取得する代わりに、相当の代償金を支払う方法
説明している間、妹さんが終始、硬い表情であることが気になり、妹さんに問いかけてみると、心の内をお話してくださりました。
妹さんの本音
「兄も自分も別所帯をもって暮らしているとはいえ、自分のルーツである実家がなくなってしまうのは忍びないという思いに引きずられ、今までズルズルきてしまった。いつかは何らかの形で処分しないといけない、自分や兄に万が一のことがあったら、子どもに負担をかけないように売って現金にしておいたほうがよいことは頭でわかっている。だけど、そこにある物もそうだけど、想いをどういう風に整理していいかわからない。だから踏み出せないでいる」とこれまでいえなかった想いを吐露されました。
妹さんの想いを受けてご提案
想いが宿るご実家だからこそ簡単に割り切ることができないことに共感するとともに、オーケストライフの別サービス「家財の片付け」をご紹介させていただきました。家財の片付け担当者は、「ご自身ではなかなか片づけられない写真やアルバム、形見の品などをお客様の気持ちに寄り添いながら仕分けをし、片づけていくお手伝いができること」、そして「ご供養を希望されるものは種類問わず、提携先の寺院と協力し、お焚き上げ供養ができること」をお伝えしました。また、ご自宅に僧侶が出張することで、家財道具や日用品だけではなく、「建物」や「土地」を丸ごと供養することもできることも説明いたしました。
ホッとされた妹さん
「家財の片付け」や「ご供養」の話をさせていただいたことで、妹さんは安堵の表情を浮かべられました。古家を残さずに更地にしないと売れないと、以前、知人から言われたことがあるが、その場合は、自分が生まれた時に親が庭に植えてくれた桐の木をどうすればよいのか気になっていたそうです。桐の木も含めてお坊さんに供養してもらえるのであれば、安心できるとホッとされていました。妹さんのお気持ちが聞けたことで、Oさんと妹さんとで改めてお話をしていただき、おふたりの考えを後日確認することになりました。
共有名義解消に向けて
Oさんから妹さんと話し合った結果、「共有状態にある実家の建物・土地を一括で売却し、その代金を持分割合に基づき配分する方法」でお願いしたいとご連絡がありました。Oさんからは「オーケストライフに相談していなかったら、妹の本音も聞けなかったし、本音を聞けたとしてもどうその想いに応えたらいいか、自分だけではわからなかった。片付けや供養という解決策を教えてもらえたから、妹も踏ん切りがついた。相談して本当によかった」という言葉をいただきました。
売却に向けて不動産の査定、土地の測量など具体的な手続きをオーケストライフメンバーの不動産担当者が対応することになりました。