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耳より情報
2023年08月30日 [耳より情報]

”不動産のリアル“を知る大切さ

オーケストライフでは、皆さまのお役に立てるくらしや住まいの耳より情報を定期的に発信していきます。今回は、地域の頼れる不動産アドバイザー トラストバンク株式会社の
齋藤 健児が「”不動産のリアル“を知る大切さ」と題して、お話しします。



先日、以前よりお付き合いのあるお客様(Aさん)から「ちょっと別件で、齋藤さんにアドバイスしてほしいことがあるんだけど……」と、連絡がありました。内容をお聞きすると、ご両親が高齢者専用マンションへの住み替えを検討中とのこと。そのため、「現在の住まい(築25年/横浜市郊外)を売却するタイミングについてお聞きしたい」とのことでした。

今回は、会話形式(Aさんと私)にて、相談内容をご紹介いたします。
※プライバシー保護の為、お客様情報の一部の表現を変更させて頂いております。


Aさん:両親が住んでいるマンションは、近くに公園もあり高台で眺望もよく本人達も気に入っていましたが、25年経過した今はその環境がネックになっていて……。ここ最近、父が急に腰を悪くし、母も膝が痛いと言い出す始末。自宅までの坂道がちょっと辛いようなんです。


私:なるほど。そろそろ、住まいを見直すタイミングなのかもしれませんね。


Aさん:ちなみに母は近ごろ、台所に立つのも億劫なようなんです。そんなとき友人から食事付の高齢者マンションの話しを聞き、「こういう所に住みたい!」と思ったみたいです。
私:それで、マンションの売却と住み替えを検討しているんですね。


Aさん:はい。私も戸建て住宅を購入しましたし、妹も都内から引っ越す気は無いようなので、売却の方向で考えています。緩やかですが景気も回復しているようですし、最近ニュースで「マンションが高く売れている」と耳にしました。今が”売り時”なら、色々と急いだ方が良いのか。それとも半年ぐらい待って、年明けの方がもう少し高い金額で売れそうでしょうか〜?


私:うーん……。Aさん、実は不動産業界全体でみると、決して良い状況とは言えないんですよ。


Aさん:えっ、そうなんですか? てっきり良い感じなんだと思っていました。


私:私自身はこの半年〜1年ぐらい、現状の厳しさを徐々に感じてはいたのですが、つい先日(以下のような)ある新聞記事を見つけて「あぁ、やっぱり……」と、納得したところなんです。

「建売大手の飯田グループホールディングス(3291)は、23年3月期の連結純利益が前の期に比べて27%減少。建物原価が上昇するなか、販売価格への転嫁が追いつかなかった。24年3月期も最終減益を見込む。オープンハウスグループ(3288)も22年10月〜23年3月期に戸建て関連事業が前年同期比で減益となった」

(引用元:マンションもう買えない〜平均1億円突破、パワーカップルも降参〜「日経ヴェリタス」7月30日号』)

Aさん:なるほど……。私たちが何となく良いイメージをもっているのと、現実には”差”があるものなのですね。


私:はい。それでいうと「この先、マンションが希望よりも高値で売れる」という可能性は、かなり低いと思います。もちろん100%の断定はできないですけどね。なので、売却を考えているのであれば、あまり時間を置かずに準備を進めていく方が良いかもしれません。ただ一方で、「都心の一等地にあるマンションが高値で売れている」という事実はあるんです。


Aさん:あぁ、それなら納得です。そういうマンションは、いわゆる富裕層がターゲット?


私:おっしゃる通りです。こちらも新聞に掲載されていましたが、かなり高額なマンションでも購入者はいるんですよ。当初は、パワーカップルと呼ばれる夫婦(1400万円の収入がある世帯)がこれらの需要を支えてきたと言われていましたが、今や平均価格が1億円を超えて彼らでも手が届かない。さらに高収入を得ている”超パワーカップル”か、富裕層、投資家や資産家などがメイン層となっているのが現状ですね。

「不動産経済研究所(東京・新宿)によると、2023年1〜6月に東京23区内で発売された新築分譲マンションの平均価格は1憶2962万円。前年同期を6割上回り、1973年の調査開始以来初めて1億円を突破した」
(引用元:マンションもう買えない〜平均1億円突破、パワーカップルも降参〜「日経ヴェリタス」7月30日号』)

Aさん:同じマンションでも、両親が住むような横浜市の郊外になると、完全にターゲット外という訳ですね。


私:はい。利便性や資産性への懸念もあるので、彼らにとって購入意欲は上がらないのでしょう。もちろん、こういったターゲット層でなければ、横浜市の郊外でマンションを探している方はいますし、現在の物件も気に入る方は必ずいるはずですよ。ただ、価格の面を期待しすぎると売却が難しくなってしまうので、その辺りを踏まえて準備を進めることをおススメします。


Aさん:そうですね。まずは、”不動産のリアル”をしっかり見て、「現状を知る」ことが大事ですね。さっそく両親にも伝え、住み替えに向けて考えてみたいと思います。ありがとうございました。

今回のAさんのケースのように、マンションの売り時を見極めるのは確かに難しいですが、まずは現状を知っておくことが大事なポイントです。それにより、いざという時に落ち着いて住み替えの準備等ができると思います。皆さんも、少しだけ”不動産のリアル”に目を向けてみてはいかがでしょうか。
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