耳より情報
2022年01月12日 [耳より情報]
確定日付ってご存知ですか?
オーケストライフでは、皆さまのお役に立てるくらしや住まいの耳より情報を定期的に発信していきます。
今回は、税務全般から不動産活用や事業再生に関わる経営コンサルティングまで加藤税務会計事務所の加藤 博明による「確定日付ってご存知ですか?」をお届けします。
皆さんは、「確定日付」というものをご存知でしょうか?
たとえばお金の貸し借りをしたときに、相手の署名があれば良いですが、今は簡単にパソコンで作成し名前も印字できてしまうので、そこへ単なる認め印をもらうこともよくあります。この場合、あとで揉めた際に『これは適当に作られたもの!!』と言われても、確実に証明することはできません。このようなときに、確定日付があれば安心です。
ある日突然「確定日付」が必要になった際、慌てることのないように、ここで情報をしっかりと整理しておきましょう。
確定日付を得るためには、一定の条件が求められます。その要件が満たされない場合、残念ながら確定日付としては認められません。必要な要件は、以下の4つです。
@ 文書作成者による署名もしくは記名押印があること
A 私文書であること
B 形式上、完成した文書であること
C 意見や観念、思想的な意味等を表した文書であること
※以下に該当するものは、確定日付の対象にはなりません。
・コピーされた文章のみの文章
・違法な文書
・無効行為が書かれた文書
・図面、写真だけの文書
・後から記入することを前提とした文書
必要な要件が分かったら、次に気になるのは取得場所や取得方法です。確定日付は、公証役場や法務局で取得することができます。手続きに際しては、証書を作成した本人以外(所有者や代理人など)でも行なうことが可能で、委任状や印鑑証明書、運転免許証などの提出も不要です。上記の要件を満たしていれば、公証人が日付印を押すことで、確定日付が付与される形となっています。(※手数料:1件につき700円)
では、確定日付はどんな場合に必要となるのでしょうか? 事例をご紹介しましょう。
*税法など法律が変わったときに、“いつまでの取引であれば軽減税率が適用される”という場合
単に契約書の作成だけではなく(契約書は相手の協力があれば、簡単に後付けの契約書が作成できてしまうので)、確定日付があれば、きちんと証明されます。
*親子間の贈与などのとき
親子間で現金の贈与をしたときに、年110万円の贈与だからと、契約書を作成しただけのケースを考えてみましょう。その後、親が亡くなったとき、この贈与について税務署から問い合わせがあったり、相続人の間で揉めて『勝手に契約書を作成しただけでは?』と、いらぬ疑いをかけられることがあるかもしれません。このような場合に確定日付があれば、過去にきちんと贈与があったことを証明できます。
いかがでしたでしょうか? 今回は確定日付についてお話ししました。契約などを交わした際、トラブルを回避することができる確定日付。ただし、文書の内容自体を証明するものではない点を、よく認識しておきましょう。
確定日付を用いた方が良いケースや、そのほか質問などがございましたら、オーケストライフ事務局までお気軽にご連絡ください。
今回は、税務全般から不動産活用や事業再生に関わる経営コンサルティングまで加藤税務会計事務所の加藤 博明による「確定日付ってご存知ですか?」をお届けします。
確定日付とは?
皆さんは、「確定日付」というものをご存知でしょうか?
たとえばお金の貸し借りをしたときに、相手の署名があれば良いですが、今は簡単にパソコンで作成し名前も印字できてしまうので、そこへ単なる認め印をもらうこともよくあります。この場合、あとで揉めた際に『これは適当に作られたもの!!』と言われても、確実に証明することはできません。このようなときに、確定日付があれば安心です。
ある日突然「確定日付」が必要になった際、慌てることのないように、ここで情報をしっかりと整理しておきましょう。
確定日付は、どのようにして取得するの?
確定日付を得るためには、一定の条件が求められます。その要件が満たされない場合、残念ながら確定日付としては認められません。必要な要件は、以下の4つです。
@ 文書作成者による署名もしくは記名押印があること
A 私文書であること
B 形式上、完成した文書であること
C 意見や観念、思想的な意味等を表した文書であること
※以下に該当するものは、確定日付の対象にはなりません。
・コピーされた文章のみの文章
・違法な文書
・無効行為が書かれた文書
・図面、写真だけの文書
・後から記入することを前提とした文書
必要な要件が分かったら、次に気になるのは取得場所や取得方法です。確定日付は、公証役場や法務局で取得することができます。手続きに際しては、証書を作成した本人以外(所有者や代理人など)でも行なうことが可能で、委任状や印鑑証明書、運転免許証などの提出も不要です。上記の要件を満たしていれば、公証人が日付印を押すことで、確定日付が付与される形となっています。(※手数料:1件につき700円)
確定日付の事例紹介
では、確定日付はどんな場合に必要となるのでしょうか? 事例をご紹介しましょう。
*税法など法律が変わったときに、“いつまでの取引であれば軽減税率が適用される”という場合
単に契約書の作成だけではなく(契約書は相手の協力があれば、簡単に後付けの契約書が作成できてしまうので)、確定日付があれば、きちんと証明されます。
*親子間の贈与などのとき
親子間で現金の贈与をしたときに、年110万円の贈与だからと、契約書を作成しただけのケースを考えてみましょう。その後、親が亡くなったとき、この贈与について税務署から問い合わせがあったり、相続人の間で揉めて『勝手に契約書を作成しただけでは?』と、いらぬ疑いをかけられることがあるかもしれません。このような場合に確定日付があれば、過去にきちんと贈与があったことを証明できます。
いかがでしたでしょうか? 今回は確定日付についてお話ししました。契約などを交わした際、トラブルを回避することができる確定日付。ただし、文書の内容自体を証明するものではない点を、よく認識しておきましょう。
確定日付を用いた方が良いケースや、そのほか質問などがございましたら、オーケストライフ事務局までお気軽にご連絡ください。