耳より情報
2021年11月10日 [耳より情報]
多様化する供養のカタチ
オーケストライフでは、皆さまのお役に立てるくらしや住まいの耳より情報を定期的に発信していきます。今回は,故人様への”心を映す“式を形に 地域とともに歩む葬儀社 横浜セレモ株式会社の加藤 芳俊が「多様化する供養のカタチ」と題して、お話しします。
前回のコラムでは、「コロナ禍の今こそ考えよう!葬儀のカタチ」ということで、葬儀の基本的な内容をお話しました。続く今回のテーマは、お墓、そして供養について。お墓の種類や特徴のほか、実際にお墓を持たない供養についても、お伝えしたいと思います。
すでに皆さんもご存知かとは思いますが、まずはお墓の基本的な内容からみていきましょう。お墓の種類は大きくは2つ。お寺の敷地内にある「寺院墓地」と、民間の法人や自治体が運営する「霊園」に分かれます。
■寺院墓地・・・
多くの寺院は基本的に「〇〇宗のお寺」と定められており、お墓に入るためには、宗教や宗派の縛りがあります。
・メリット・・・お寺がお墓全体を見ており、管理がしっかりと行き届いているほか、手厚く供養をしてもらえる。法要や供養などの相談にのってもらうことができる。
・デメリット・・・宗教や宗派の縛りがある。寺院とのお付き合いや、協力(行事やの参加や寄付金など)が必要な場合もある。
■霊園・・・
宗教や宗派を問わず、お墓に入ることが可能です。主に宗教法人が運営する「民間霊園」と、自治体が運営する「公営霊園」があります。
・メリット・・・宗教や宗派を問わないため、自分の希望した形のお墓を建てることができる。サービスが充実している(売店でお花や線香、飲み物などの購入が可)。
・デメリット・・・宗教的な相談、供養の相談ができない場合がある(事務的な対応)。
さらに、「埋葬される人」によってお墓の呼び方が変わります。
昔は、主流であった寺院墓地。最近では「遠方にお墓があるため、頻繁に行くことができない」「お寺の仕来りで男性しかお墓を継げない(寺院による)」などの理由から、寺院墓地を持つことの難しさを感じた方もいるかもしれません。しかし、お墓はお寺の方が見てくれているという安心感があります。また、先祖からの続いたお寺の方との繋がり、そこから得る人の温かみなどは、寺院墓地ならではといえるでしょう。
近年は、「永代供養」を選ぶケースも増えてきています。「永代供養」とは、お墓の管理ができない遺族に変わり、霊園や寺院がご遺骨を管理、供養してくれる方法です。子孫がお墓を継承することなく、霊園や寺院が管理をしてくれます。
継承する遺族がいる場合でも、残された人たちに「墓守りの面倒をかけたくない」などの理由から、「永代供養」を選択するケースもあるようです。では、時代の流れと共に多様化する供養のカタチには、どのようなものがあるのでしょうか?
お墓を持っていても訪れることが難しい方に変わり、お墓参りの代行サービスや、オンラインで墓参りができるサービスをおこなっているところもあります。オンライン墓参りには、実際の墓地にあるお墓をインターネットで中継するタイプと、インターネット上にデジタル的なお墓を作り、そこに対してお参りするタイプの2種類があります。今後定着していくかは見えないところもありますが、選択肢の一つとして考えておくのは良いかもしれません。
また弊社では、葬儀に足を運ぶことができない方のために、オンライン葬儀「しのぶば」というサービスを2021年7月より開始しました。たとえば、身内だけで家族葬を執りおこなったものの、「故人とお別れがしたかった……」と願う親戚や友人、職場の同僚たちなどが、オンラインを通じてお別れの場がもてる仕組みとなっています。
さらに専用の追悼ページ(サイト)を設け、そこに故人との想い出を綴ったり、寄せ書きや写真を集めて制作したムービーの上映会、想い出を語り合うオンライン座談会の開催など、あらゆる形で故人に想いを寄せることができます。
葬儀という場では時間的な制約もあり、ゆっくり故人のことを想ったり、語り合うことは難しいでしょう。しかし、心の中にはそれぞれに故人との素晴らしい想い出が残されているはずです。オンラインの特性を活かしながら、故人を偲び、大事な方を亡くされた方の想いにも寄り添いたい。「しのぶば」は、そんな願いを形にするサービスです。
昔から、ご火葬して土に納めるという文化が根付いている日本では、お墓に納めない供養については、まだ一般的とはいえないかもしれません。しかし大切なのは、亡くなった故人や残された家族の気持ちです。私たちは、そんな皆さんの気持ちに寄り添い、希望が叶うためのお手伝いを今後も続けたいと思います。
お墓の種類には何がある?
前回のコラムでは、「コロナ禍の今こそ考えよう!葬儀のカタチ」ということで、葬儀の基本的な内容をお話しました。続く今回のテーマは、お墓、そして供養について。お墓の種類や特徴のほか、実際にお墓を持たない供養についても、お伝えしたいと思います。
すでに皆さんもご存知かとは思いますが、まずはお墓の基本的な内容からみていきましょう。お墓の種類は大きくは2つ。お寺の敷地内にある「寺院墓地」と、民間の法人や自治体が運営する「霊園」に分かれます。
■寺院墓地・・・
多くの寺院は基本的に「〇〇宗のお寺」と定められており、お墓に入るためには、宗教や宗派の縛りがあります。
・メリット・・・お寺がお墓全体を見ており、管理がしっかりと行き届いているほか、手厚く供養をしてもらえる。法要や供養などの相談にのってもらうことができる。
・デメリット・・・宗教や宗派の縛りがある。寺院とのお付き合いや、協力(行事やの参加や寄付金など)が必要な場合もある。
■霊園・・・
宗教や宗派を問わず、お墓に入ることが可能です。主に宗教法人が運営する「民間霊園」と、自治体が運営する「公営霊園」があります。
・メリット・・・宗教や宗派を問わないため、自分の希望した形のお墓を建てることができる。サービスが充実している(売店でお花や線香、飲み物などの購入が可)。
・デメリット・・・宗教的な相談、供養の相談ができない場合がある(事務的な対応)。
さらに、「埋葬される人」によってお墓の呼び方が変わります。
家墓 | いわゆる本家の方たちがすべて埋葬され、代々引き継がれていくお墓のこと。 墓石側面には、故人の戒名などが刻まれる。 |
個人墓 (夫婦墓) | 個人一名だけが埋葬されるお墓のこと (一族とは別に、夫婦のみで埋葬される場合は、夫婦墓と呼ばれることもある)。 |
共同墓 (教会墓地や寺院の 檀徒専用の墓地など) | 同じ信仰を持っている人たちが埋葬されるお墓のこと。 教会墓地や寺院の檀徒専用の墓地のほか、高齢者施設などで設けているところもある。 |
昔は、主流であった寺院墓地。最近では「遠方にお墓があるため、頻繁に行くことができない」「お寺の仕来りで男性しかお墓を継げない(寺院による)」などの理由から、寺院墓地を持つことの難しさを感じた方もいるかもしれません。しかし、お墓はお寺の方が見てくれているという安心感があります。また、先祖からの続いたお寺の方との繋がり、そこから得る人の温かみなどは、寺院墓地ならではといえるでしょう。
多様化する供養のカタチ
近年は、「永代供養」を選ぶケースも増えてきています。「永代供養」とは、お墓の管理ができない遺族に変わり、霊園や寺院がご遺骨を管理、供養してくれる方法です。子孫がお墓を継承することなく、霊園や寺院が管理をしてくれます。
継承する遺族がいる場合でも、残された人たちに「墓守りの面倒をかけたくない」などの理由から、「永代供養」を選択するケースもあるようです。では、時代の流れと共に多様化する供養のカタチには、どのようなものがあるのでしょうか?
納骨堂 | 骨壺を納めるスペース(納骨堂)を購入し、永代供養をお願いできる。 個人、夫婦、家族単位で入ることも可能。 ロッカータイプのもの、仏壇式、位牌式などいくつかの種類がある。 (永代供養については、予め期間が定められているところが多い。 例:三十三回忌の際には納骨堂からお骨を土に還すなど) |
樹木葬 | 木の下に遺骨を埋葬する供養法。 遺骨の単位で植樹する方法や、樹木の周囲に複数の遺骨を合祀する方法がある。 |
散骨 | 海や川、山などに遺骨をまく供養法。 紛骨し、骨の形を残さずパウダー状にする必要がある。 (粉骨=遺骨を粉末にすること) |
その他 | 上記の散骨に付随し、粉骨の一部を手元に置いておく形もある。 (手元供養したあと、ペンダントとして身に着けるなど) |
お墓参りの代行やオンライン化の現状は?
お墓を持っていても訪れることが難しい方に変わり、お墓参りの代行サービスや、オンラインで墓参りができるサービスをおこなっているところもあります。オンライン墓参りには、実際の墓地にあるお墓をインターネットで中継するタイプと、インターネット上にデジタル的なお墓を作り、そこに対してお参りするタイプの2種類があります。今後定着していくかは見えないところもありますが、選択肢の一つとして考えておくのは良いかもしれません。
また弊社では、葬儀に足を運ぶことができない方のために、オンライン葬儀「しのぶば」というサービスを2021年7月より開始しました。たとえば、身内だけで家族葬を執りおこなったものの、「故人とお別れがしたかった……」と願う親戚や友人、職場の同僚たちなどが、オンラインを通じてお別れの場がもてる仕組みとなっています。
さらに専用の追悼ページ(サイト)を設け、そこに故人との想い出を綴ったり、寄せ書きや写真を集めて制作したムービーの上映会、想い出を語り合うオンライン座談会の開催など、あらゆる形で故人に想いを寄せることができます。
葬儀という場では時間的な制約もあり、ゆっくり故人のことを想ったり、語り合うことは難しいでしょう。しかし、心の中にはそれぞれに故人との素晴らしい想い出が残されているはずです。オンラインの特性を活かしながら、故人を偲び、大事な方を亡くされた方の想いにも寄り添いたい。「しのぶば」は、そんな願いを形にするサービスです。
昔から、ご火葬して土に納めるという文化が根付いている日本では、お墓に納めない供養については、まだ一般的とはいえないかもしれません。しかし大切なのは、亡くなった故人や残された家族の気持ちです。私たちは、そんな皆さんの気持ちに寄り添い、希望が叶うためのお手伝いを今後も続けたいと思います。