お知らせ・活動紹介
2021年04月20日 [耳より情報]
相続や住所・氏名変更後の「不動産登記」は義務なの?
オーケストライフでは、皆さまのお役に立てるくらしや住まいの耳より情報を定期的に発信していきます。
今回は、相続・遺言・老後の生活設計など困ったときのくらし安心まるごと相談窓口 司法書士法人あいおい総合事務所の清水 敏博が、土地の相続や所有者の住所変更に伴う「不動産登記の義務化」についてお話しします。
「不動産登記」とは、不動産(土地や建物)の一つひとつについて、「どこに、どれくらいの広さがあって、どなたが持っているのか」といった情報を、法務局の職員が専門的な見地から正しいのかを判断した上で、コンピュータに記録することをいいます。
所有者の氏名や住所、不動産の用途や大きさだけではなく、金融機関からの借り入れ情報なども記載されています。手数料を支払うと誰でも閲覧ができ、登記内容が記載された登記簿謄本の交付を受けることも可能です。
その「不動産登記」について現在、国会にて審議されており、2023年より施行の見通しとなっているのが、相続や住所・氏名を変更した際の「不動産登記の義務化」に関する改正案です。
これは近年、社会問題にもなっている「所有者不明土地問題」を解決するためのものです。ではさっそく、具体的な内容について見ていきましょう。
「所有者不明土地」とは、法務局備え付けの登記簿によって、所有者が直ちに判明しない、または判明しても所有者に連絡がつかない土地のことです。
相続が発生してもそのままにしていたり、転居や婚姻・離婚などで住所や氏名が変わったにも関わらず、登記の申請(所有者や住所・氏名の変更登記)を行わないことにより発生します。
今回の改正案は、これまで所有者の任意だった登記申請について、義務化されるというものです。相続時の登記は取得を知ってから「3年以内」、怠ると10万円以下の過料(刑事罰ではなく行政罰)に処せられます。また、住所・氏名の変更登記は変更が生じてから「2年以内」、怠ると5万円以下の過料に処せられることになります。
「住所変更を役所に出しているから、大丈夫ですよね?」というご質問をいただきますが、住所や戸籍の変更など、役所の手続きと法務局における登記とは、一切連動していません。相続や住所・氏名に変更が生じた際は、法務局にて、所有者による登記申請が必要です。
くれぐれも忘れないように気を付けましょう。
「所有者不明土地問題」については、私も以前から“社会問題化するのでは”と注視していました。例えば、どんな状況が「所有者不明土地問題」へと発展してしまうのでしょうか?
4つのケースを挙げてみました。
@価格が低い地方の土地を相続したくないという理由から、放置してしまった
A 亡き曾祖父母名義のまま相続登記がされず、相続人を調査すると30名以上もいることが判明。 その後、遺産分割協議が困難になった(直系尊属死亡の場合は、次世代に相続されます)
B 亡くなった当時は遺産分割の話し合いがまとまっていたが、数年後に状況が変わり(相続人持ちや環境の変化、相続人の一人が亡くなっている場合など)登記が進められなくなった
C 転居後に住所変更の登記がされず、登記簿上から現住所へのつながりが取れない状態となり、登記が進められなくなった
これらは誰しもが当事者になる可能性が高く、とても身近なケースだと思います。特に相続に関わるケースは、今後も増えることが予想されるでしょう。家族の形が多様化していく中、相続人の権利意識が高まっていることが影響しているのかも知れません。
相続は、発生から時間が経つと相続人の状況は変化し、いざ“登記をしよう”と思ったときには、話し合いが難しくなってしまう傾向があります(話し合いで問題が生じると、家庭裁判所での調停が必要になるなど、大きな負担がかかります)。
今回ご紹介した「不動産登記の義務化」の有無にかかわらず、登記簿に変更が生じたら、早めに登記を行うことを心がけましょう!
また、そのほかにも相続に関するちょっとした疑問、相談などがありましたら、お気軽にオーケストライフ事務局までお問合せください。
今回は、相続・遺言・老後の生活設計など困ったときのくらし安心まるごと相談窓口 司法書士法人あいおい総合事務所の清水 敏博が、土地の相続や所有者の住所変更に伴う「不動産登記の義務化」についてお話しします。
そもそも「不動産登記」ってなに?
「不動産登記」とは、不動産(土地や建物)の一つひとつについて、「どこに、どれくらいの広さがあって、どなたが持っているのか」といった情報を、法務局の職員が専門的な見地から正しいのかを判断した上で、コンピュータに記録することをいいます。
所有者の氏名や住所、不動産の用途や大きさだけではなく、金融機関からの借り入れ情報なども記載されています。手数料を支払うと誰でも閲覧ができ、登記内容が記載された登記簿謄本の交付を受けることも可能です。
その「不動産登記」について現在、国会にて審議されており、2023年より施行の見通しとなっているのが、相続や住所・氏名を変更した際の「不動産登記の義務化」に関する改正案です。
これは近年、社会問題にもなっている「所有者不明土地問題」を解決するためのものです。ではさっそく、具体的な内容について見ていきましょう。
「不動産登記の義務化」を詳しく解説!
「所有者不明土地」とは、法務局備え付けの登記簿によって、所有者が直ちに判明しない、または判明しても所有者に連絡がつかない土地のことです。
相続が発生してもそのままにしていたり、転居や婚姻・離婚などで住所や氏名が変わったにも関わらず、登記の申請(所有者や住所・氏名の変更登記)を行わないことにより発生します。
今回の改正案は、これまで所有者の任意だった登記申請について、義務化されるというものです。相続時の登記は取得を知ってから「3年以内」、怠ると10万円以下の過料(刑事罰ではなく行政罰)に処せられます。また、住所・氏名の変更登記は変更が生じてから「2年以内」、怠ると5万円以下の過料に処せられることになります。
「住所変更を役所に出しているから、大丈夫ですよね?」というご質問をいただきますが、住所や戸籍の変更など、役所の手続きと法務局における登記とは、一切連動していません。相続や住所・氏名に変更が生じた際は、法務局にて、所有者による登記申請が必要です。
くれぐれも忘れないように気を付けましょう。
なぜ、所有者不明の土地が生まれてしまうのか?
「所有者不明土地問題」については、私も以前から“社会問題化するのでは”と注視していました。例えば、どんな状況が「所有者不明土地問題」へと発展してしまうのでしょうか?
4つのケースを挙げてみました。
@価格が低い地方の土地を相続したくないという理由から、放置してしまった
A 亡き曾祖父母名義のまま相続登記がされず、相続人を調査すると30名以上もいることが判明。 その後、遺産分割協議が困難になった(直系尊属死亡の場合は、次世代に相続されます)
B 亡くなった当時は遺産分割の話し合いがまとまっていたが、数年後に状況が変わり(相続人持ちや環境の変化、相続人の一人が亡くなっている場合など)登記が進められなくなった
C 転居後に住所変更の登記がされず、登記簿上から現住所へのつながりが取れない状態となり、登記が進められなくなった
これらは誰しもが当事者になる可能性が高く、とても身近なケースだと思います。特に相続に関わるケースは、今後も増えることが予想されるでしょう。家族の形が多様化していく中、相続人の権利意識が高まっていることが影響しているのかも知れません。
相続は、発生から時間が経つと相続人の状況は変化し、いざ“登記をしよう”と思ったときには、話し合いが難しくなってしまう傾向があります(話し合いで問題が生じると、家庭裁判所での調停が必要になるなど、大きな負担がかかります)。
今回ご紹介した「不動産登記の義務化」の有無にかかわらず、登記簿に変更が生じたら、早めに登記を行うことを心がけましょう!
また、そのほかにも相続に関するちょっとした疑問、相談などがありましたら、お気軽にオーケストライフ事務局までお問合せください。